はじめに

クリーンルーム(以下、CRと略す)では、電気作業、高所作業など、“非常に危険な作業”を行っています。

また、装置内部には、誤って装置内部に進入すると“死亡事故につながる”産業ロボットが設置されています。

CRに入るということは、これらの危険な作業を行っている領域に入るという意識をもって、必ず、CRルールを厳守して行動する必要があります。
CR内で作業を安全に行うということは、必要な知識及び、技能を事前に身に付けておくことが必要で、CR内での危険作業について充分な教育を受けておく必要があります。

CRについて

クリーンルームの定義は「空気中に浮遊する微粒子が限定されたレベル以下の清浄度に管理されており、不純物やゴミを持ち込まないようにするための部屋」です。簡単にいうと、目に見えない小さなホコリなどを取り除き、製品に付着するのを防止するために使用する部屋の事です。微粒子は肉眼で確認できる限度の100分の1程度です。微粒子は一般的な空気調和設備のエアフィルタでは完全に取り除くことができません。そのため、クリーンルームは設計の段階で、微粒子を外部から取り入れず、内部でも発生させないための工夫がされています。
クリーンルームの環境を整え、維持するためにはそれなりの費用が掛かっていることを理解しておいてください。

CRのクリーン度は設計値クラス10,000

例えば、0.5μm微粒子が1立方フィート(約30.5cm四方)のなかに空気中に含まれる0.5μm粒子が10,000個以下の場合はクラス10,000となります。

CRへ入場する前に

・着用するクリーンウエア(無塵服)は、最低2週間に一度は洗濯をして、清潔を保ちましょう。

・化粧は、粉を使用しない化粧品やクリーム程度として、クリーン度向上に留意してください。

・入室する際は、このCRルールを理解していること。

クリーンルーム更衣室(前室)

貴重品、携帯電話、たばこなどは、更衣室に放置しない。
各自で保管・管理すること。紛失に対する責任は負いません。

クリーンウエアの着用

人間は、身に着けている衣服や皮膚・毛髪からの発塵・発汗などにより、最大の発塵源となる。クリーンウエアは、人間から出るごみを外部に拡散させない目的で使用します。
着替える際は無塵服の袖部にゴミなどを付着させないため、袖をなるべく床につけないようにする。

クリーンウエア(無塵服)
次の事項を守り、正しく着用すること。
1,身体に合ったサイズのものを着用する。
2,定期的に正しい方法でクリーニングし、汚れのない状態に管理する。
3,首回り・クリーンブーツのファスナーは、上まであげ、マジックテープを正しく留める。
4,クリーンウエアに安全ピン等は刺さない。(穴があき、内部の埃が漏れる)
5,破損・ほころびのあるクリーンウエアは、使用しない。穴が開いた場合は各自で修理をする。出来ない場合は新しいものをもらってください。
6,大型装置周辺での作業や装置内に入る作業がある場合はインナーヘルメットを着用する。ASSY組立では不要です。

クリーンマスク
鼻と口が隠れるように正しく着用する。

「不織布マスク」のみでも可。不織布マスクの上から「クリーンマスク」を着用してもいいです。

※感染症対策
「不織布マスク」を着用して現場作業を行う際、息苦しいときは、無理をせずCRから退室し、周囲に人がいないところでマスクを外して体調を整えてください。
必要であれば、予備のマスクに交換する。交換は手際よく行い、交換した使用済のマスクは、各自が持ち帰って処分してください。

手袋
基本的に「インナー手袋」をした後、「ゴム手袋」を着用する。「ゴム手袋」は、袖の中に入れる。
または、指先にゴムの付いた綿手袋を使用する。
※インナー手袋で肌が荒れる人は、インナー手袋なしで、ゴム手袋2重着用とする。
※「ゴム手袋」は、汚れるか、破れるまで再使用すること。
※「綿手袋」は、汚れるか、破れるまで再使用すること。

名札
常時作業者は、名前の書かれた名札を胸部に付ける。
有資格者は資格シール名札(ライセンスバッジ:有効期限記入要)を胸部に付ける。
※名札ケースは部品への傷防止の為、ソフトタイプのみ使用可とする。

服装の点検
CR入室前に自分の姿を鏡で確認し、クリーンウエアの着用で毛髪がはみ出していないか、帽子やマスクがずれていないか、マジックテープが止められているかなどを点検してください。

粘着マットの使用

エアシャワー出入口部の粘着マットにて、2~3回足踏みを実施の上、靴底のゴミを取り除くこと。

中間エリアや他のエリアの境に粘着マットが設置してある場合は都度、靴底のゴミを取り除くこと。

エアシャワーの使用

最大人数以下でエアシャワー室に入り、1~2回転しながら服をたたき、ゴミを十分に落としてから入室してください。

クリーンルーム退室

「ゴム手袋」・「インナー手袋」をそれぞれの回収BOXに分けて入れてください。

① ゴム手袋は、物に移るような汚れ、破れがない限り再使用してください。
「破れていないか? 汚れていないか?」を確認。再使用出来ない場合は、廃棄してください。


②綿手袋は、破れない限り洗濯して再使用します。
綿手袋は、裏返しにならないように注意して、指先を伸ばして回収BOXへ入れてください。

クリーンブーツは、フードを折りたたんで所定の場所に置いて汚れないようにしてください。

緊急時の通報連絡

工場内で災害・事故等の緊急事態が発生した時は、当事者・発見者は速やかに所属長もしくは総務へ次の手順で通報してください。

1)通報内容
通報は落ち着いて次のことを確実に伝えるようにしましょう。

a.発生場所(どこで)
b.誰が、何が
c.どうして
d.どうなった

(注意)不確実な点はその旨を連絡し、確実な情報が判り次第「続報」として通報する。但し、急病やけがで緊急に救急車の要請が必要な時は、発見者が直接 (119)通報した後、速やかに上長もしくは総務へ通報連絡する。この時は、総務課に救急依頼済と共に救急隊(車)をどこに案内するのか連絡する。

2)当事者・発見者は所属長の指示に従って行動し、次の処置を優先する

1、怪我人の救出と応急処置
2、被害拡大防止の処置(可能な限り実施し、危険な時は避難を優先する)
3、二次災害防止の処置(周囲に事故の発生を知らせ、避難を呼びかける)

避難経路について

火災、地震、酸欠等非常事態が発生した時、構内放送が流れ、その指示に従ってください。
避難指示であれば、作業を打ち切り直ちにクリーンルームから避難する。
避難誘導灯と避難ドア(通路又は建屋外に通じる)が設けてあるので、その表示に従って避難する。
防火シャッターが各所に設けられている。火災発生時は、この防火シャッターを使いエリアを閉鎖する。
エリアに残っている人は、あわてず非常ドアから避難する。
避難する時は、非常事態であり人命優先で、クリーンウエア等そのままで避難する。

避難経路図

クリーンルーム持ち込み品(更衣室・中間エリア含む)

1) 持ち込みを厳禁とする物品

・発塵性のあるもの(普通紙、鉛筆、シャーペン、他)
・ダンボール紙
・木材
・ホッチキスの針や針金タイプのクリップ・・・製品に混入する可能性があります。

2) 持ち込み可能物品

・工具類 ・・・サビの発生、塗料剥がれ、汚れ等が無いもの。
・補材、部品類 ・・・防塵、発塵処理が施してあること。
・紙類 ・・・・・・・無塵紙であること。
普通紙はカバン等に入れていても、持ち込み禁止。但し、ラミネートされた普通紙の持ち込みは可とする。

CR内での椅子の使用について

座って行う作業以外での使用(物を置く、休憩等)は禁止。CR内は立ち作業が原則です。
ですが、事情によりどうしても立ち作業が出来ない場合は椅子を使用してもいいので上長に確認してください。

①パソコンを用いた作業など、同一姿勢にて長時間の作業を行う場合。
②身体の事情により長時間の立ち作業が不可能な場合。
③長時間移動や動作が少なく、立ち作業のままでは腰に負担が大きい作業。

CR内での注意事項

1)クリーンルームでの歩き方他
以下の点に注意して、「転倒しにくい」歩き方を心がける。クリーンルームでは何もないところでも思っているよりつまづきやすいです。足をしっかりと上げて歩くように心がけてください。


「転倒しにくい」歩き方 :〇
・背筋を伸ばし、やや遠くを見て歩くように心がける。
・前屈みにならないように注意する。
・つま先で地面を蹴って、踵から着地する。
・歩幅を少し広げて、ゆっくり歩く。


「転倒をしやすい」歩き方 :×
a、目線を足元ばかり向けている。
b、腕の振りが小さい。
c、すり足で、つま先から着地する。
d、歩幅が狭く、ちょこちょこ歩く。

体(腰)に負担のかかる姿勢を取らないこと

・装置下部など低い部分を覗き込むような作業をするときは、マットを敷いて膝をつくこと。しゃがみ込むような姿勢を取らない。
・作業(特に重量物作業)前は、ストレッチなどを行い体を痛めないよう心がけてください。
・軽いものでも物を持ち上げる姿勢に注意する。

2)床に”座る・膝をつく、物品を床に直接置くことは厳禁

作業中に床に座る、膝をつく必要がある時は必ずマットを使用してください。
また工具等を床に置く時も、マットを敷きその上に置くこと。
部品等が無塵ダンボール・折りたたみコンテナに入っている場合でも、網棚または「スノコ」の上に置くこと。
※床への直置きは厳禁!

3)防火シャッター下部、通路(非難通路)は、必ず確保する。

防火シャッター下部(ライン上)や消火設備の前にものを置かない、作業をしないこと。
また、配管・配線を横切って這わさない。

4)使用済の工具類は、必ずもとの位置に返却する。装置の上や机、棚などに放置しない。

5)作業机や網棚、台車等は必ず車輪をロックする。

6)部品など(小物)は、どの装置製番分か分かるように棚等に表示しておくこと。

7)棚に物を載せた時の高さは、棚の支柱の上端を超えないこと。

8)棚の最上段に厚みの無い物、部品、紙類を載せないこと。

9)中間エリアの2重になっている扉、カーテンは同時開放しないこと。

装置への異物混入防止について

装置内へ異物を混入させないため、次を遵守すること。

・作業エリアに持込む部品/工具/書類/筆記用具は、必要最小限に留め不要物は持込まない。
・作業エリアで発生した不要物・廃棄物(梱包材,端材等)は、適時処分する。
・整理・整頓・清掃に努め、常に整然とした現場となるように心掛ける。

1)部品を包装材から取り出すときは、装置から離れた作業台の上で開封し、その包装材を作業台下に設置したゴミ箱へ、すぐに廃棄すること。
同様に、部品に付いている現品票を包装材とは分別して廃棄する。

2)テープ類は、梱包用途以外の使用禁止。(装置や部品への貼付けはしない)

3)結束バンド(インシュロック)の切断は、切れ端飛散防止「リードストッパー」付専用ニッパを使用する。

4)作業エリアでは、チャック付きポリ袋(一般ポリ袋含む)は、A4サイズ以上を使用する。A4サイズ未満は作業エリアに置かない。
基本的に緑色の袋を使用する。緑色の袋は再利用出来るものは捨てずに保管しておいて再利用すること。

)作業に必要な工具/部品だけを専用トレーに入れて使用する。
使用する工具全てを型抜きして管理することを推奨する。

6)工具は机に直置きせずに工具用のトレーに入れる。

7)作業エリアで使用する工具/筆記用具類は、日々チェックを行い、紛失・破損がないように管理する。

)トレーに入る大きさの部品はなるべく机に直置きせずにトレーに入れて紛失防止に努める。

9)機密文書の持ち出し禁止。
生産に関わる文章、資料は機密情報です。絶対に持ち出してはいけません。
資格取得のためのテキストやノート、メモ書きでも同様です。持ち出す必要がある際は上長に確認を取り、返却の報告も忘れずに行ってください。

10)備品の持ち出し禁止。
持ち出す必要がある際は上長に確認を取り、返却の報告も忘れずに行ってください。

ゴミの分別方法について

1) ゴミ分別ルールに従うこと。

4)生産に関わる文書類は全てクリーンルームから回収し、シュレッダー回収BOXに入れる。
生産に関わる文書類以外の紙ごみは、通常の紙ごみとして所定のゴミ箱に入れてください。

5)現品票は、ビニールテープ等の付着物を剥がし、紙ゴミとして廃棄する。

現品票は通常の紙ごみでOK

理解度テスト

理解度テストは回答後に点数を確認して100点が取れるまで行ってください。

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